まきこさん:家族で住んだ4年間のアメリカ生活

仕事で海外駐在することになり家族をつれてアメリカに来る日本人家族。外国に住む素晴らしいチャンスを与えられた彼らのアメリカ生活はいかなるものか、興味深いものです。

今回は、テキサスのダラス周辺に4年間すんだという、まきこさんにお話を聞かせてもらいました。

帰国後は、子供の英語力を維持するために「日本のテレビ番組は禁止…..」

 

こんにちは、まきこさん。まずは、自己紹介からお願いします。

2016年〜2019年までの4年間駐在でアメリカで暮らしていたMakiです。最初の1年はカリフォルニア州ロサンゼルス、残り3年はテキサス州のフリスコで暮らしました。家族構成は、英語が得意な夫と渡米時4歳(現在小6)の娘、渡米時1歳(現在小3)の息子の4人家族です。

ご家族で過ごしたテキサスの4年間はいかがでしたか?

振り返ってみると、とても貴重な経験をすることができ、おかげで価値観や人生観が多少変わった気がします。しかし、当時は色々と苦労しました。まずは言葉です。スーパーマーケットで買い物することはできても、子供が熱を出した時、1人で病院に連れて行くことができず、夫に頼るしかありませんでした。また、テキサスに引っ越した直後、ヒアリに刺された時は、とても動揺しました。今となっては話のネタになっています。また、日本人同士の距離感も駐在特有のものがあり、そこに適応することも必要でした。

お子さんたちの英語力は、アメリカに来たばかりの当初からどのように上達していったのか、お話を聞かせてもらえますか?

娘は渡米後すぐ、4歳の時にプリスクールに通い始めました。親の方針として、せっかくの機会なので英語にどっぷり浸かってほしいと思い、日本人のいない学校に入れました。全く英語が分からない状態だったので、泣いているのではないか?と心配でしたが、得意の側転を披露しまくったようで、初日から友達ができ、その後も毎日楽しく通っていました。
その約1年後、テキサスへ引越し、環境が変わりましたが、友達や先生とのコミュニケーションには問題ない程度の英語力もついており、キンダーガーテンでもすぐに友達を作り、時には友達とプレイデートをして楽しく過ごしていました。
帰国することが決まった時は、娘がショックを受けるのではないかと考えて、帰国する事実を彼女に伝えるタイミングに悩むほどでした。娘が小学2年生の途中で、本帰国しました。

息子は、渡米時1歳、帰国時4歳でした。3歳からプリスクールに通い始めました。息子は、英語での読み書きは全くできませんでしたが、いつの間にか姉弟間の会話はほぼ英語になっていました。

外国人としてアメリカに住んだ中、どのような苦労がありましたか?

テキサスの真冬にセントラルヒーティングが故障して、すぐには直らず極寒の中、数日過ごしたこともあります。また、ガレージのシャッターが開かなくなり、息子のプリスクールのお迎えに行けなかったこともありました。今となっては、サバイバルスキルを上げることができたな!と思える良い思い出ですが、当時は「これが日本だったら、もっとすぐ修理してもらえたのになぁ、、」と母国が恋しくなる出来事でした。

アメリカ生活中のお子さんたちの日本語はどうでしから?

先ほどお話したように、英語漬けにしよう!というのが我が家の教育方針でしたが、日本語補習校には娘が年長の途中から入れました。しかし、小学生になってから、ほぼ1日中机に向かって座り勉強する日本のスタイルが合わなかったようで、泣いて嫌がるようになりました。悩んだ末、補習校は辞めさせました。しかし、九九など日本で絶対に必要な勉強や日記、読書などは継続し、最低限の日本語力は保てるよう努力させました。

息子に関しては、就学前に本帰国になる予定だったこともあり、心配はしておらず、日本語の勉強は何もしていませんでした。

アメリカ生活で好きだったこと、または学んだことを教えてください。

アメリカ特有のイベントが大好きでした。
特にプリスクールや小学校でのイベントは日本では聞いたことがないものも多く、最初の頃は子供が学校で恥をかかないようにしなくては!と下調べをしていましたが、いつの間にか親のわたしが1番楽しむようになっていました。

特に好きだったのは、Dr.Seuss Day。Dr.Seussの世界観の服装で登園し、園では緑のゆで卵を作って食べる。「こんな面白いことさせてくれるなんて、日本の幼稚園じゃありえない!」と親の方が張り切って準備していました。

他にもパジャマデーやポットラックパーティー 、日本とは雰囲気の違うVバレンタインデーやハロウィーンなども好きでした。夫の仕事の都合で仕方なく引っ越してきたアメリカでしたが、学校での様々なイベントを通して、親のわたしもしっかり楽しむことができました。

日本に帰国後、子供は英語を忘れてしまうとよく聞きますが、真紀子さんの経験からこれに関してどう思いますか?英語力を維持するために何かしていますか?

帰国した時に小2だった娘と年中だった息子ですが、姉弟間の会話は、帰国後約1年で英語から日本語に変わりました。日本に住みながら英語を話す力をキープするのは難しいと感じています。

具体的に我が家で継続している英語教育は、大きく3つあります。

1. 日本のテレビ番組は禁止し、NetflixやAmazon、Disney+を通して英語音声の番組のみ視聴していいことにしています。

2. 週に1回の英語保持教室も継続しています。

3. 英検受験です。息子は、自分の名前が英語で書けるだけで読み書きはほぼできない状態で帰国しましたが、いまは英検3級を持っています。
一方、娘は英検準1級の壁をなかなか越えることができません。

限られた時間で、英語力はある程度しか鍛えられないのが現実ですが、その分日本語がどんどんレベルアップしている!とポジティブに考えつつ、親ができる英語力維持のためのサポートをしている状態です。

アジア人であることからアメリカ生活の中で人種差別をされたこと、また、差別を感じた事はありましたか?

ロサンゼルスでの話になりますが、アメリカで有名なチョコレート屋さんでお会計の時にJALのクレジットカードを出したところ、店員さんに「Are you Jap?」と突然聞かれたことがありました。「JALのクレジットカード持ってたから聞いたのよ〜」と言っていたので、差別的な意図があっての発言かどうかも分かりませんでしたが。

まきこさん、ご協力ありがとうございました!

今後も益々の繁栄をお祈りいたします。

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