米:信号で停止中に背後からぶつけられた。「車、大丈夫そうね」と言って逃げようとする運転手

車の事故は、危険だとういうことはもちろん、ちょっと車が傷ついただけでも、修理だの保険の処理などと何かと後始末が面倒です。また、私の場合、アメリカで生活していると、自分が外国人であることに加え、アジア人でマイノリティーであることが理由で、何かと不利になるんじゃないかと心配です。なので、事故にならないように気を付けなきゃいけないと常に思っています。

アメリカではマイノリティーに対する差別、特に黒人に対する差別がなくなりません。White privilege という言葉があるくらいで、(白人は白人というだけで得しているという意味)、私自身、差別を感じるというよりも、私の白人の主人と一緒に出掛ける時の方が、人の対応が良いと感じることがあります。なので、車にぶつけられて、当て逃げされるなんてことがあるのなら、それは私であって、私の主人にはそんなこと絶対に起きないだろうと思っていました。でも、それが、今日、主人が車をぶつけられ、危うくその人に逃げられそうになったのでした。びっくりだ!

主人の話では、混んでいる道で赤信号車がゆっくりと前に動いていると、背後からドンっとぶつかった。車から降りると、ぶつかった衝撃で、主人の車のバンパーとトランクに傷がついていた。でも、その運転手は、「大丈夫そうね」と言ってその場を去ろうとしたらしい。主人は、冷静を維持して、いやいや、情報交換しなきゃダメだよ、と言うと、「新しいバンパーをもらおうって気なんでしょう!」と言い、「Fxxx you!!」まで言ったそうです。

自分が人の車をぶつけたのに、この態度はあんまりです。

私が警察を呼べばよかったのにと言うと、私の主人は、保険の情報を手に入れただけでいいんだ。自分は冷静を保って、その車の運転手を”Ma’am” と呼んで、状況を上手く対応したそうです。でも、Ma’amと何度も言ったのが気に入らなかったのかもしれないと冗談げに笑っていました。幾つくらいの女性だったのか聞くと、大学生くらいだったらしいので、Ma’amとは呼ばれたくないはずです。

この話を聞いて、これが主人ではなくて私だったらどうだっただろうと想像しました。3年前に、同じように赤信号で停止していると、私は背後の車にぶつけられる事故がありました。あの運転手は、携帯を見ながら運転していたのだろうと思います。結構な勢いでバンっとぶつけられましたから。

こういった事故に遭った時、どのように対応すればいいか知っておくべきだなと反省しました。なにせ、私はこの時、かなりのパニックになってしまって、動揺していたため正しく素早い判断を下せず、結局は、相手の車に逃げられてしまいました。当て逃げでした。

主人が、今回の事故で、人としての在り方にがっかりさせられたと言っていましたが、私も自分の事故でまさに逃げた運転手の人間性を疑いました。私の事故では、7歳の娘が後ろの席に座っていました。子供が車に乗っていたことは、運転手は気がついていただろうと思います。チャイルドシートが後ろの車からも見えていただろうし、私が何度も後ろの座席の方を見て子供が大丈夫か確認していたのを運転手は見ていたはずです。

この私の事故では、私がマイノリティーだとか外国人だとかは関係なかっただろうと思います。ただ単に、運転手の若い女性は、パニックになってしまい留置所に入れられてしまうと思って怖くなったのだろうと思います。私が事故現場ですぐに警察を呼んでいたら、きっとそうなっていただろうと思う。気になって調べた所、運転中にスマホをいじっている所を見つかったら約99ドルの罰金。これが初めてでなく過去に何度か同じ理由で見つかっていれば罰金が200ドルくらい。でも、私の後ろからぶつけた運転手は、それだけでなく人の車にぶつけていましたから、ぶつけた罪と罰金も加わったわけですから、まずい事になっていただろうと思います。逃げたお陰で警察沙汰からも逃げれたわけですが、車に乗っていた子供は大丈夫だっただろうか、怪我しなかっただろうか、あの運転手は、そんな風に気になっているだろうか。それとも、そんなことちっとも心配していないし、頭の隅にもないのだろうか。

アメリカでは、Do the right thing. という、ことわざのようなフレーズがあり、アメリカ人なら誰もが小さい時から教えられていることです。親が教えなくても、学校が生徒に繰り返し教える事の一つです。それなのに!! まあ、「皆が正しい事をしなさい」の教えに基づいて行動していたら犯罪も戦争もない平和な世の中であるはずですよね。

車の運転で怒る人

Road rage という言葉があり、これにより車の事故が生じて人が死んでしまったなどニュースになります。日本でも、腹を立てた運転手が相手をあおったり、追いかけたりするといったことがニュースで報道されますが、アメリカでは、相手を「あおる」とか後ろから追突するというのはあまりないです。でも、割り込みされたから腹が立って銃で撃ち、死亡者が出たなんてニュースはたまにあります。

私も、Road rageで”Fuxx you!!” と車から怒鳴られ、中指まで出されたことがあります。どうやら、私の前に割り込みしたかったようですが、この車はウィンカーを出していなかったため、私は全くそんなこと知らなかったんです。私がちっとも隙間を作らないで走っていたため、この人はイライラして突然、大きな声で怒鳴ったんです。私の車の後部座席にいた10歳の娘もびっくり! アメリカ人は、普段から悪い言葉を使っていても、普通は、子供の前で悪い言葉は使わないので、私の娘は「私がここにいるのにFって言ったね~。中指も出してたね~。」と信じられない様子でした。怖い怖い。

警察を呼ぶかどうか?

さて、事故に遭ったら警察を呼ぶかどうか。明らかに誰かが怪我をしていたら救急車が必要ですから911 を呼ぶようになりますが、では、怪我をしていなければどうでしょう? 私の主人は、相手の保険の情報をもらったので、警察を呼ぶ必要はなかった。だから呼ばなかったと言っていましたが、私の事故では、相手に逃げられたけれど、私は警察を呼んだんです。私は、相手に逃げられたため更にパニックになっていたんです。結果的には、相手の情報がなさすぎで警察は運転手を探せないってことでした。でも、後部座席に座っていた私の子供のチェックはきちんとしてくれました。さすがアメリカだなと思いました。消防員たちが娘を消防車の中に連れて行き、車にぶつけられた衝撃で、身体に怪我をしていないか調べてくれました。3人いた消防員のうちの一人は、娘の緊張をほぐすために冗談を言ったり面白い話をして笑わせていました。アメリカ人のこういった配慮が私は大好きです。もともとアメリカ人は冗談を言うのが好きですし、小さな子供も人間として大切に扱いますからね。警察は、私が相手の車のナンバープレートの番号を記録していなかったため、捕まえるのは難しいと言いながらも、丁寧に対応してくれました。もし何かあったら僕に電話してくださいと一人が名刺をくれました。

別の事故では、警察を呼んだけれど、その警察は、アパートやショッピングセンターの駐車場で起きた車の事故には警察は関われないと言って去って行きました。アメリカに来たばかりの大昔に、住んでいたアパートの駐車場で、ゆっくりとバックしていると突然スピードを出した車が私の背後を横切りぶつかったのでした。その運転手は、警察にデタラメを言って、突然スピードを出して私が飛び出してきたと証言していました。それは、自分だろうに!と言って、私も証言したかったのですが、アメリカに来たばかりで英語で上手く自分を表現出来なかったのです。

示談にした人

また、別の事故では、大きな道からショッピングセンターの駐車場に入ろうとすると背後からぶつけられたのです。運転免許を取得したばかりで運転の経験が浅い18歳くらいの女の子でした。その子は、人の車をぶつけたことにショックで、パニックになっていました。泣きながら何度も私に謝っていました。この事故では、運転手の父親が私の車の傷の修理代を払っただけでなく、自分で作った示談書を私に渡しました。それには、今回の事故での支払いは済んでいます。今後、お金の請求をすることは一切ありません。こんな内容でした。私も、この娘と似たような年齢で、人をだましてお金を請求するような人には見えなかっただろうと思いますが、きっと私が外国人だから、後になって何をされるか分からないと思って自分たちを守るためにこういった示談書を用意したのかなと思っていましたが、主人にこの話をしたら、「きっと、保険に事故った事を記録されたくなかったから示談にしたんだろうけど、示談書を書くなんて変だな。普通そんなことしないけどな。」と言っていました。

注意:あくまでも私の経験による話であり、警察を呼べきかどうか、示談書を書くかどうかなどのアドバイスではありません。

 

 

 

 

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