新型コロナ感染拡大防止のため、学校が閉鎖になりホームスクールが始まってからもうじき2カ月。
最初、朝6時半に起きなくてもいい!学校がない!と喜んでいたのは子供だけでなく親の私も同じ。しかし、学校がなくても一日中、家でだらだら出来るわけではない。学校からどさっと出される課題や宿題を、先生に代わって私が家で教えなければならない。

ホームスクールを始めてからすぐに、ホームスクールの大変さを知り、新型コロナが流行る前からホームスクールをやっているという人はすごいなと思った。
その時、何年か前に会った女性を思い出した。自分の4人の子供をホームスクールしていると私に教えてくれた。私が大変じゃない?と聞くと、大変じゃないと答えた。学校に通わせる代わりにホームスクールを選ぶ親は、公立の教育方針が好きではないという人が多い。この女性もその一人だった。

私の話に戻ります。ホームスクールを始めた最初の頃は、学校の日程と同じように進ませようとしていた。そうするのが当たり前だと思ったから。普通に学校に行っていたら8時から3時まで次々と授業があって、休み時間なんてたったの15分。ランチ時間だって30分しかもらえない。でも、学校の日程を家で押し付けるのは無理だった。トイレに行きたいと何度も机を離れるし、お喋りを止められない、プリント一枚をやるにもだらだらと時間がかかる。

こんなにホームスクールって大変なの?他の親はどうやっているのだろうと気にり、ネットでホームスクールに関する情報を探してみたら、私だけでなかった。ホームスクールで苦労している親が沢山いると分かった。自分の子供でもない子供をそれも20人もの生徒を一日中相手にするんだから、先生はスゴイ!と先生に今まで以上に感謝するようになったと言う人もいた。また、ホームスクールの一日の予定をSNNに投稿する人などもいた。

我が家の場合、子供にも不満はあった。それはそうだ。このホームスクールは、私にとって初めての事だけでなく、子供にとっても初めてのことなのだから。
「ケイラ先生のクラスの勉強はすごく楽しいのに、家でやる勉強は全然楽しくない。ママは「やりなさい、やりなさい」ばっかりでちっとも楽しくない!」と言われた。

ハッとした。その通りだと思った。

私との勉強は楽しくないのか。確かにその通りだな。私は、楽しい雰囲気で勉強させるというよりも、やらなければならない勉強を右から左へと片つけさせて終わらせるだけ。そっか、それだからちっとも楽しくないんだな。でも、そうしないと、いつになっても終わらない、早く終わらないと、私の時間がとれなくなってしまう、と思っていた。

友達のローラに、娘にホームスクールは楽しくないと言われたと言ったら、「私も楽しい先生じゃないわ。私も、一つずつさっさとやらせて全部終わらせるだけ。」と言って笑った。日本のつまらない学校にしか通ったことがない私だから、楽しく教えられないのかと思っていたけど、どうやらそれは関係ないようだ。

アメリカの学校は楽しいことがいっぱい

アメリカの学校は、子供達が楽しめるように色々なことをしてくれる。色々なイベントの中で、子供が大好きなのは、バレンタインデーのイベント。靴の箱を使ったバレンタインデーようにデコレーションして、当日には、お菓子などをクラスの生徒全員と交換できる。他には、学校が始まってから100日目のお祝いや、一週間続くドクタースースの誕生日を祝うためのイベント。感謝祭のお祝いとして、学校で感謝祭の食事を食べる。冬休みに入る前日にはクリスマスのパーティーがある。この日は、勉強はほぼなしで、楽しいパーティーに用意されたピザやお菓子、カップケーキなど沢山の食べ物が用意される。先生からのクリスマスプレゼントももらえて、半日で学校が終わる。

学校全体で行うイベントの他に、クラスでのイベントやご褒美もある。例えば、去年、私の子供のクラスでは、先生が、アメリカ50州を言う歌を最初から最後まで間違えずに暗記して歌えれば、棒のアイスをくれるという課題を出した。この時、クラスで一番早くアイスをもらえたのは、私の子供だった。普段の授業のなかでも、行いが良かった生徒や頑張った生徒は、お菓子やちょっとしたご褒美がもらえる。また、遠足も楽しい場所に連れて行ってくれる。遠足と言っても、歩いて遠くの公園でスケッチをしてお弁当を食べて帰るというつまらない遠足ではない。スクールバスに乗って、水族館や、動物園、科学博物館などに行く。私の子供は、この春キッザニアに遠足で行く予定だったのが、新型コロナで学校が閉鎖になったためキャンセルになってしまいとても残念がっていた。

文化の違い

アメリカの学校が楽しいのは、アメリカ人は楽しむことが大好きであり、楽しむことが重要とされているから。学校は学ぶ場所であるのはもちろん、でも学ぶことにばかり重点を置いていない。何をやるにも楽しみも大切と考えるから、学校でも自然と楽しいことが取り入れられるのだろう。アメリカではこれは普通の事なのだけど、日本の学校に比べるとすごく違う。単なる文化的な違いだと思う。

オンライン授業でも楽しく

新型コロナにより学校が閉鎖になったため、ZOOMを使った授業が行われている。ZOOMで、先生やクラスメートの顔が見れるだけでも子供達にとって楽しいけれど、私の子供の担任のケイラ先生は、更に楽しめるように、毎回、特別な日にしてくれる。例えば、面白い髪形や帽子をかぶってくる日にしたり、大好きなお菓子やスナックを持って来て紹介させたり、ペットや何か物を皆に紹介させたり。母の日が近いので、昨日は、紙とホチキスを使って簡単な母の日のカードを作った。そのカードを明日もらえるので楽しみ。また、週2回のZOOMミーティングの他に、本を読んでくれる日もある。

そして、先週は、ケイラ先生がクラスの生徒23人の家を一軒ずつ回った。生徒の顔を見てプレゼントをあげるという3分ほどの短い訪問だったけれど、先生の生徒に対する沢山の愛情を感じる一時だった。

生徒からもらう言葉で先生が喜ぶ言葉

去年の5月、学年度の最終日。日本では終業式にあたる日に、5,6年生の生徒が、体育の先生に「Thank you for an awesome year!」と言って笑顔で別れる姿を見かけた。先生にとって最高の言葉だなと思った。日本だったら、「一年間、ありがとうございました」と言うだろうけど、アメリカでは有難うと言われるよりも「楽しかった」「最高だった」といった言葉の方が相応しい。生徒に楽しかった、素晴らしかったと言われたら、嬉しいし、一年良い仕事をしたなと満足感を感じる。メダルをもらったのと同じくらいの意味がある。ここでも文化の違いを感じる。

静かに過ごす時間

ほぼ一日中家にいる毎日の生活に慣れてきたと同時に、私も子供もホームスクールにも慣れてきた。初めの頃の様に、長時間勉強させるのもやめた。その分、家の家事を手伝わせたり、勉強の合間に、1時間の「静かな時間」を入れてみた。この1時間の「静かな時間」時間は、パソコンは使わず、読書や絵を描いたり、レゴで遊ぶなど一人で静かに何かする時間。
何もしない時間といったダウンタイムは、現代の忙しい子供の生活に必要な時間だと専門家は言う。こういった時間に、子供は、何をしようか、何をしたら楽しいかなどと考える。親などにこれをやりなさいと与えられることばかりでなく、自分で考えて何かをするのは想像力を育てる意味でもいいらしい。
また、この1時間は私の自由時間にもなるので、私にとっても「静かな時間」になっていい。

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