アメリカでは、引っ越し先の新居で挨拶まわりはするのか? 

日本では、引っ越しをしたら、引っ越し先の新居で「近所の挨拶まわり」をするのが当たり前。

引っ越しに関するウェブサイトによると、日本では、一戸建ての場合、古くからある「向こう三軒両隣」という言葉のとおり、向かいの3軒と両隣の家に挨拶をするのが当たり前で、引っ越しの挨拶をしないと失礼な人だと思われるかもしれないとのこと。その挨拶の内容は、引越しでの騒音のお詫び、家族構成、簡単な職業の説明、今後のお付き合いをお願いする。下が例文。

「今日、隣に引っ越してきました田中と申します。

引越しでは、うるさくして申し訳ありませんでした。こちらが、妻の孝子と来年小学校に入学する息子の信一です。

鉄道関係の仕事をしているので、出勤や帰宅が不規則で、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

ほんの気持ちですが、よろしかったらお召し上がりください。」

 

これはとても日本独特で、アメリカにはこういった風習や考えはありません。

その代わりに、Welcome! 近所が引っ越して来た人を歓迎

まず、アメリカでは「引っ越して来た人が近所に挨拶に行くのが当たり前」と言った考えはありません。挨拶に行く人もいれば、行かない人もいる。
また、逆に、近所の人が引っ越して来た方に、ようこそ!と歓迎の挨拶に来てくれることもあります。

これは、アメリカの、新しく来た人を歓迎するのが当たり前という文化に関係しています。例えば、仕事の場で、新しく入った人がそこの従業員に「新人です、よろしくお願いします」なんて風に挨拶をするよりも、以前からいる従業員たちが新人を「この会社に(この部署に)ようこそ!」と歓迎してくれます。また、何かの集まりでも、「~にようこそ!新しいメンバーが増えて嬉しいです」なんて風に歓迎してくれます。

そんなわけで、新しく引っ越した場所では、”welcome to our neighborhood!” 何て風に挨拶しに来てくれる人がいると思います。

私自身の経験では、現在の家に引っ越して来た時、近所に住む3家族が続々と挨拶に来てくれました。一人は、すぐ隣に住む老夫婦の奥さんが「Welcome to the neighborhood!」と歓迎の言葉が書かれているカードを持って来てくれました。カードには、自分たちの名前と電話番号が書かれていました。
次の家族もやはり、Welcome to the neighborhood!と私たちを歓迎するカードに、電話番号と家族皆の名前を書いて持って来てくれました。カードの他に、家にあったアイスクリームだけどと言って、アイスクリームもくれました。
3番目の家族は、家族5人で住む家の奥さんが、自己紹介をしにふらっと寄ってくれました。

どの人達も、自己紹介として、家族構成、自分たちはいつこの新しい住宅地に引っ越して来たか、その前は何処に住んでいたかを話してくれ、とても住み易い場所よと言い、「何か必要だったらいつでも声をかけて」と言ってくれました。

 

引っ越して来た自分の方から挨拶に行く

もし、近所から誰も歓迎の挨拶をしに来てくれなかったとしても、がっかりしないで。
引っ越した曜日や時間帯によっては、引っ越しのトラックを目撃されず、引っ越して来たことを近所の人に気づかれなかったということもあります。

それなら誰も歓迎してくれないと思わず、自分から「引っ越してきました」と挨拶に行けば良いだけです。その場合、あくまでも自己紹介する意味での挨拶で、日本の引っ越しの挨拶のように、引っ越しの最中に音を立ててスミマセン、とお詫びも兼ねた挨拶ではありません。引っ越しの作業で音が出ても、それは当たり前の事で、それが迷惑とは考えません。挨拶に来てくれた事を喜んでくれることでしょう。また、手土産を持って行くかどうかですが、これはどちらでも有りです。

我が家も、挨拶に来てくれた家以外とも知り合う為に、数家族の家に挨拶に廻りました。この時、手作りのジャムを持って行きました。

 

引っ越しの挨拶の際に手土産は要るか?

手土産を持って行く必要はありませんが、持って行けば当然喜ばれます。例えば、クッキー。ナッツアレルギーの場合があるので、ナッツが入っていないもの。クッキーはアメリカで愛されている食べ物なのでお勧めです。高価な物でなく、ベーカリーやごく普通のスーパーで買えるクッキーで十分です。手作りは尚喜ばれると思いますが、こだわる必要はありません。

「日本からのお土産が珍しくて喜ばれるかもしれない」という考えは捨てましょう。日本の食べ物が大好きという人でなければ、日本のお饅頭やお煎餅など、日本独特の食べ物は喜ばれないケースが多い。

アメリカ人にあげる物を選ぶコツは、アメリカ人に馴染みのある物。引っ越しの挨拶の場合だけでなく、どんな時でも、馴染みある物が無難です。

 

挨拶には、何と言えばいいか?

何を言っても良いわけですが、基本的に自分の名前、どの家に引っ越して来たか、どこから引っ越して来たかと簡単で良いのです。会話が弾んで、どんな仕事をしているのか、どの会社に勤めているのか、子供は何歳で何年生かといった話になるかもしれません。

例えば、こんな風に。

Hello. We had just moved in last week and wanted to stop by and introduce ourselves. I’m Yoshi. This is my wife, Yoko, and this is our son Ken. We are from Japan. Our house is two houses down from your house…. the one with two big trees in the front.

すると向こうも自己紹介して、Nice to meet youという会話になる筈です。

 

ホームパーティーを開いて近所の人を招待する

引っ越して来た時に、近所に挨拶に行くのが簡単で、タイミング的にも一番良いのですが、アメリカでは、新居に引っ越した時に、Housewarming partyと呼ばれるホームパーティーを開く人もいます。例えば、同じ道に住む近所の人を招待し、夜の6時から9時までいつでも家に出入り出来るようにする。また、このパーティーで、ゲストに家の中の部屋を一つずつ見せる人います。トイレから寝室まで全てのスペースを見せてくれます。

家の中を案内するのは、Housewarming partyの時だけでなく、初めて来たゲストにはいつもやる人も少なくありません。日本にはない風習です。

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