タトゥーについて、アメリカではどう思っている?

タトゥーについて、アメリカではどう思っている?

先日、仕事場で、お客さんが誇りげに私に言いました。

「I’m a tattoo artist.」

突然、こう言われて一瞬、返事に困りましたが、とっさに出た言葉は、That’s cool. Do you own a shop? よくありげな返事です。そして、目線を下げると、両腕の長袖の洋服の袖口からタトゥーが見えました。日本のやくざが入れるような肌一面に広がるタトゥーでした。肩から手首までビッシリあるのかなと想像しました。

私が日本に住んでいた頃は、入れ墨=ヤクザ というイメージがあり、入れ墨を入れている人は、怖い、話しかけるなんてとんでもないと思っていました。例えば、海水浴で背中一面に広がる入れ墨をしている人を見ると、子供ながらにじーっと見てはいけないとわかっていました。しかし、昔だけでなく、未だに、入れ墨=ヤクザというイメージは根付いているのではないでしょうか。2019年に、日本に帰った時に、温泉で、「入れ墨が入っている人の入浴はお断り」という看板が入口付近に置かれているのを見ました。タトゥーが一般の人の間で広がっているのに、昔と変わっていない日本に驚きました。これは、アメリカのスタンダードで考えると、単なる差別にしかありません。

アメリカでも、初めてタトゥーが出てきた1800年代は、タトゥー=犯罪者 で一般的ではなかったそうですが、現在はごく普通のことで、ごく普通の人の間でも人気があります。ある入れ墨に関する調査によると、38パーセントの大人が18歳から29歳の間に最低一つのタトゥーを入れているそうです。

大きな数字ですが、納得する数字です。確かに、タトゥーはよく見かけます。

アメリカでは、ちゃんとした仕事を持っている普通の人でもタトゥーをしています。そのため、タトゥーを入れている人と話をするのもちっとも怖くありません。私は、仕事のお客さんのタトゥーに気が付くと、時間がある時は、「I like your tattoo(s)」となんて言ってみます。きれいな目をしている人に、You have pretty eyes.と言うように。すると、皆、喜んで、いつ入れたとか、何でこのタトゥーを入れたかなど色々教えてくれます。

タトゥーには意味がある

タトゥーに関して、私が気がついたことは、タトゥーには深い意味があるということです。例えば、私の知り合いのヨガのインストラクターは、一期一会と肩の後ろにタトゥーを入れています。そして、足には、愛する息子二人の名前がカタカナで縦に入っています。一期一会は、この人の信じている言葉であって、息子の名前を体に入れるほと息子たちを愛しているということでしょう。

他には、とても色鮮やかな刺青が肘と手首の間に広がっている女性。この人の刺青は私が今までに見たことがないとても鮮やかな色で絵のように美しいので、素敵なタトゥーだね。何か意味はあるの?と聞くと、自分の精神的な不安や問題を克服するために何かタトゥーを入れたいと思って、タトゥーアーティストに相談したところ、この花はこういう意味があるからと(忘れてしまいました)薦められて一緒にデザインしたんだと教えてくれました。気分が落ち込んでいるときは、自分のそのタトゥーを見るんだそうです。この人のタトゥーは、私が今まで聞いた中で一番深い意味を持っています。

そういえば、つい最近、スーパーの中で「悔しい….」というタトゥーを首の横に入れているアジア人男性を見かけました。悔しい?何が悔しいんだろう?この言葉の意味をわかっているのかな?と、とても興味があって、話しかけて話を聞きたかったのですが、とても急いでいる様子で、走って行ってしまったので聞けませんでした。笑

ある調査によると、調査に参加した人の25%が、何か特別な意味があってタトゥーを入れると決心したと言います。例えば、「亡くなった母親の思い出」とか 「初めての子供の誕生を記念して」など。また、12%が、自分はこういう人間だと象徴するためと答えたそうで、そのうちの一人は、「私の身体は本であり、私のタトゥーは私の人生を描いている」と答えました。他には、タトゥーはアートだと言う人もいたそうです。

職場でも受け入れられている?

ビジネススーツを着ている男性で、まくったワイシャツの裾からタトゥーが見えるなんてこともあります。タトゥーが一般的に受け入れられているため、ビジネス環境でも、何も問題なく受け入れられているということなのだろうと思いますが、そうじゃないこともあるようです。
私の仕事のお客さんに、頭皮全体に大きく広がるタトゥーを入れている男性がいましたが、この人は髪の毛を伸ばしてタトゥーを隠そうとしているんだと言いました。

この調査によると、タトゥーを入れたくないという人の理由に、宗教上入れられないと答えた人が11%、家族や友達が反対するとか職場での目が厳しいなど答えた人が10%。また、こんな風に答えた人もいました。「私は、自分は絶対にタトゥーなんて入れない。あなたがフェラーリを持っていたら、フェラーリのバンパーにシールを貼るか?」自分がフェラーリで、タトゥーがスローガンなどが書いてあるシールと例えているということですね。そんなバカなことしない、という意味でしょうかね。なるほど。

世間の目はどうか?

私は、自分の身体にタトゥーは入れていませんが、偽のタトゥーを入れて一日、過ごしたことがあります。
子供が遊ぶ、水に濡らして貼るだけのタトゥーがありますね。そういったタイプのタトゥーでしたが、エドハーリーというヘビーメタル系のデザインの大人のタトゥーでした。これを肩に貼って、ラスベガスの忙しい観光地を歩きました。そのタトゥーがとても目立ったようで、私と反対方向に歩いてくる人たちの目は私の肩のタトゥーに止まります。そして、目線をずらして私の顔てタトゥーを2度見する。タトゥーのイメージと私の顔がマッチしなかったのだろうと思いました。面白い経験でした。

この刺青の調査では、「タトゥーに対する貴方の意見は何ですか?また、タトゥーを入れている人ひ対する意見は何ですか?」という質問に、54%がポジティブな意見を持ち、13%がネガティブな意見を持ち18%はいいとも思うし、良くないとも思うという中間の意見。15%はどうでもいいと思うと答えたそうです。ほとんどの人が、タトゥーを入れる人をリスペクトし、タトゥーはいいと思うけど、自分では入れたいと思わないと答えたそうです。

まとめ:
人の身体に入れてあるタトゥーを見ても、見ないフリをする必要はありません。I like your tattoo(s)と言ってみて、話を聞くのも面白いかと思います。

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