アメリカで病院に行く前に、知っておくべきエチケット

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Crying toddler --- Image by © Mike Kemp/Tetra Images/Corbis

Updated 10/23/2022

違う国=違う文化

これを忘れてはいけません。「病院の予約は取れた。後は予約の時間に行けばいいだけ。」と考えていませんか?でも、ここはアメリカ。日本と違う文化や習慣があるわけですから、日本にいる時と同じことは期待できません。恥をかかないためにも、予約に行く前に、考慮しなければならないアメリカでの病院でのエチケットを知っておくべきです。仮に”普通はやらない”ということをやってしまっても、外国人だから(外人カード)仕方ないかと大目に見てくれることでしょうが。私が、思いつく事、6つ取り上げました。

 

1.予約があっても待つのは当たり前

時間は多めに取って行きましょう。予約時間ぴったりに着いても、すぐに診察してもらえるわけではありません。

普通、アメリカでは、ドクターに会う前にナースに会います。ナースが体重や血圧を測ったり問診を取り、これに5分から15分くらいかかります。その後、個室へ連れて行かれ、ドクターを待ちます。ここでどれくらい待つかはまちまちです。前の患者さんに時間がかかれば、次の患者さんの予約が遅れるわけです。それは、オフィスの方は予期できない事ですので、こんなに長く待たされたと怒ってしまったり、次の約束に間に合わないからとオフィスの人を急かすのは間違っています。時間は多めに取って行き、すぐ後に仕事のミーティングや友達とのランチの約束を入れるのは避けた方が良いです。

待ち時間を少なくするには、朝一番の予約を取ることをお薦めします。朝一番、またはオフィスの昼休みの後の最初の予約であれば、自分の前に予約がないので前の患者さんの診察が終わるのを待つ必要がありません。でも、それでも特別なケースもあり待つこともあります。例えば、産婦人科で、朝一番の予約で行った時、この日の朝、突然、別の患者さんの赤ちゃんの出産があり、私の予約時間に来れず、長い時間待たなければならなかったということがありました。

2.小さな子供は連れて行かない

子供の検診ではなくて、自分自身の検診に連れて行くかどうかということです。これに関しては、色々な意見があります。ネットで検索すると、自分はいつも子供を連れて行くけどなにも問題ないという人もいれば、絶対に連れて行かないという親もいるし、連れて行くべきじゃないという親、ナースやドクターもいます。医療クリニックで働いている私としては、5歳以下は連れて行かないことを薦めます。また、自分自身の病院の予約で、小さな子供を連れてきている人はほぼ見かけません。これは、子供は自分の病院の予約に連れて行かない主義の人達の方が多いということなんだろうと思います。

連れて行かない方が良いという意見を持つ人達の理由は似ていて、医療器具を使っての検査が必要な場合は特に、赤ちゃんや小さな子供はお母さんに抱っこしてもらいたくて泣いてしまったり、じっと座っていられないなんてことになると、ドクターは検査に集中できなくなってしまいます。また、高額な医療器具に手を触れたり、スイッチのボタンを押してしまう(小さな子供はボタンを押すのが好き)なんてことも起こりかねません。

ですから、検査室には一人で入るようにして、子供はもう一人の大人と待合室で待ってもらうのがベストです。

3.小さな子供を自由にウロウロさせない

小児科の検診で子供を連れて行くなら別として、自分の予約で、待合室で旦那さん、または奥さんに子供と一緒に待ってもらっている間は、1歳から3歳の子供がフリーレンジ(放し飼いのニワトリ)にならないようにしましょう。待合室で子供と一緒に待っている人を見ると、アメリカ人の親は自分の子供が静かに、じっと座っているように頑張っていますが、私の経験ですと、日本人の親は、不思議とそうでない親が多い。例えば、ヨチヨチ歩きの幼児が興味津々で待合室の中をウロウロと歩き回り、その後ろを親が、転ばないように見守りながら背後を追う。また、普通の声の大きさで子供をあやし、キャッキャッと親子ではしゃぐ。これもタブーです。病院内は、図書館の中と同じように静かに座っているのが当たり前です。アメリカでは、親は子供がじっと静かにして待っていられるように色々な工夫をします。子供が普通の声でしゃべろうとすれば、親が「シーっと」声のボリュームを下げなさい、又はお喋りしないで、と合図する姿をよく見かけます。静かにさせるために、おもちゃ、塗り絵、パズルなどを持って行く。最近ではタブレットで映画などを見せる人が多いです。それでも、じっとしていられないのであれば、オフィスの外に出るのがマナーです。

4.どさくさに紛れて別の家族の症状に、ドクターのアドバイスをもらおうとしない

例えば、朝、子供の調子がいまいちでした。今日、私の検診の予約があるから、ついでにドクターに来尋ねてみる!なんて言って、「あの、今朝、息子が喉が痛いと言って、咳も出ていたんですけど、何だと思いますか?風邪ですかね?市販の薬ではどんな薬が効きますか?」これは、ダメです。自分の予約では、相談できるのは自分の事だけです。また、子供を一緒に連れていって、ついでにドクターに診てもらおうなんて考えるのも良くありません。これらはアメリカでは非常識な事になります。ドクターは、医師の知識はお金ですから、無料で医師の意見やアドバイスをもらおうとしている行為になってしまいます。

5.通訳を連れて行く場合

自分は英語がさっぱりわからないからと、病院の予約に通訳者を連れて行くのであれば、予約を取る際にそのことをオフィスの人に伝えると良いだろうと思います。その理由は、通訳する人が一緒に予約に来るとなると、予約の時間を長くとってもらう必要があるかもしれないからです。気にしないオフィスもあるかと思いますが、念のために。

6.電話での通訳はやめよう

電話で通訳してくれる人を雇おうと考えているのなら、まず、病院にそれでもいいか確認することを薦めます。ドクターによっては、それを嫌がる人もいます。電話だと、オフィスの中にいるのと違って、部屋の中に一緒にいる場合と違って、目で見ないとわかりずらいことがあるわけですから、通訳に時間がかかってしまいます。そうなると、ドクターの説明がすんなりと通訳され患者さんに伝わらないため、ドクターがイライラしてしまうかもしれません。

7.病院にどうにもできないこともあるさ

電車やバスが予定の時間通りきっかりに来る、ミーティングの時間に遅れない、この日までに出来上がりますと言ったら絶対にその約束を果たす、という日本の常識は、アメリカでは期待できません。ですから、このリストの上の説明のように、予約時間通りにドクターに診てもらえなくても、病院を通して注文した薬が予定通り届かなかったとしても、病院に文句を言っても仕方がありません。アメリカの人は、病院のせいではないと理解して病院にクレームするなんてことはしません。基本的に、日本を基準に考えて、アメリカはああだ、こうだと不平不満を言っても仕方がありません。アメリカ人は、お客様にご迷惑をおかけして申し訳ありません、私たちもどうにかならないかと色々な手を尽くしています。どうかご理解をお願いいたします。と言ってくれるでしょう。自分は客だ!とわがままを言うのではなく、対応してくれている人に感謝を意を表した方が、相手は嬉しいわけですし、どうにかしてあげようともっと頑張ってくれるはずです。自分は客だ!という威張る態度は嫌われるだけです。

まとめ

この記事の始めに言いましたように、エチケットやマナーに外れたことをしても、外国人だから仕方がないなと大目に見てくれるでしょうが、失礼な人だとは思われないためにも、アメリカでは「普通はやらない」という事は、知っておくべきだと思います。

 

 

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